ブースターケーブルの正しいつなぎ方&失敗例【図解】

バッテリー上がりが起こってしまった際、ブースターケーブルで対処する場面は誰にでも訪れる可能性があります。しかし、その作業には思わぬ危険が潜んでいます。接続ミスや不適切な作業環境によって、車両の損傷や火災、さらには感電など、重大なトラブルにつながることもあります。

この記事では、ケーブル接続時に起こりやすい事故の3大原因を解説するとともに、安全に作業を進めるためのチェックリスト、正しい接続手順、よくある失敗とその対処法まで、わかりやすくご紹介します。万が一のときにも慌てず対応できるよう、ぜひ最後までお読みください。

 

ケーブル接続で事故が起こる3大原因

1.逆接続:プラスとマイナスを逆に接続することによるショート

説明:バッテリーのプラス端子とマイナス端子を逆に接続すると、電流が逆流し、ショートを引き起こします。これにより、バッテリーや車両の電気系統が損傷する可能性があります。最悪の場合、火災が発生することもあります。

2.不適切な接触:接続が緩い、または接触不良による火花や発火。

説明:ケーブルの接続が緩いと、電流が不安定になり、火花が飛び散ることがあります。これにより、接続部分が過熱し、発火する危険性や体を負傷することがあります。接続部分をしっかりと固定し、接触不良を防ぐことが重要です。

3.不適切な環境:湿気や油分が多い場所での作業による感電や火災。

説明:湿気や油分が多い場所で作業すると、電気が漏れやすくなり、感電や火災のリスクが高まります。乾燥した清潔な場所で作業を行い、周囲の環境を確認することが必要です。

 

作業前チェックリスト

1.車両の位置:両車両が安全な距離にあるか確認。

説明:救援車と故障車が近すぎると、作業がしづらくなり、ケーブルが引っ張られて接続が緩む可能性があります。適切な距離を保ち、作業スペースを確保しましょう。

2.エンジン停止:救援車と故障車のエンジン(キーOFF)が停止していることを確認。

説明:エンジンが動いていると、電気系統が稼働しているため、接続時に火花が飛び散る可能性があります。安全のために、両車両のエンジンを停止させてから作業を開始します。

3.ケーブルの状態:ケーブルに損傷がないか確認。

説明:ケーブルに亀裂や破損があると、電流が漏れたり、接続が不安定になったりします。ケーブルの状態を事前に確認し、損傷がある場合は交換することが重要です。

4.手袋と保護メガネ:安全のために着用。

説明:手袋と保護メガネを着用することで、火花や飛散物から身を守ることができます。安全対策を徹底し、事故を防ぎましょう。

 

正しい接続ステップ(写真付き)

1.故障車:赤いケーブルを故障車のプラス端子に接続。

説明:まず、故障車のバッテリーのプラス端子に赤いクリップを接続します。プラス端子は通常赤色で表示されています。救援用端子がある車両は救援用端子に接続をお願いします。

2.救援車:赤いケーブルを救援車のプラス端子に接続。

説明:次に、接続していない方の赤クリップを救援車のバッテリーのプラス端子に接続します。これにより、両車両のプラス端子が接続されます。

3.救援車の黒いケーブルを接続:救援車のマイナス端子に接続。

説明:救援車のバッテリーのマイナス端子に黒クリップを接続します。マイナス端子は通常表示はないですが、端子付近に⊖と表記されています

4.故障車の黒いケーブルを接続:故障車のエンジンブロックなどの金属部分に接続。またはエンジンルーム内の未塗装金属部に接続してください。

説明:最後に、故障車のエンジンブロックなどの金属部分に黒いケーブルのもう一方を接続します。これにより、アースが確保され、電流が適切に流れるようになります。

 

よくある失敗10例とトラブルシュート

1.逆接続:すぐにケーブルを外し、再確認。

説明:逆接続をしてしまった場合、すぐにケーブルを外し、正しい接続を確認します。ブースターケーブルやバッテリー、車両の電気系統に損傷がないかも確認しましょう。

2.接触不良:接続部分を清掃し、再接続。

説明:接触不良がある場合、接続部分を清掃し、しっかりと接続し直します。接触部分が汚れていると、電流が不安定になります。

3.火花が出る:接続を確認し、再試行。

説明:接続時に火花が出る場合、接続が緩い可能性があります。接続を確認し、しっかりと固定します。

4.エンジンがかからない:バッテリーの状態を確認。

説明:エンジンがかからない場合、バッテリーが完全に放電状態になっていたり、故障車側に異なる原因が発生している可能性があります。バッテリーの状態などを確認し、必要に応じて交換します。

5.ケーブルが熱くなる:使用を中止し、ケーブルを交換。

説明:ケーブルが熱くなる場合、電流が過剰に流れている可能性があります。使用を中止し、ケーブルを交換します。

6.異音がする:接続を確認し、再試行。

説明:接続時に異音がする場合、接続が不安定な可能性があります。接続を確認し、しっかりと固定します。

7.バッテリー液漏れ:作業を中止し、専門家に相談。

説明:バッテリー液が漏れている場合、作業を中止し、専門家に相談します。バッテリー液は有害であり、適切な処理が必要です。

8.ケーブルが短い:車両の位置を調整。

説明:ケーブルが短くて接続できない場合、車両の位置を調整し、適切な距離を確保します。

9.接続が緩い:しっかりと接続し直す。

説明:接続が緩い場合、しっかりと接続し直します。緩い接続は電流が不安定になり、火花が飛び散る原因となります。

10.エンジンがすぐに止まる:バッテリーの充電状態を確認。

説明:エンジンがすぐに止まる場合、バッテリーの充電状態が不十分な可能性があります。バッテリーの充電状態を確認し、必要に応じて充電します。

 

まとめ

ブースターケーブルの接続は慎重に行う必要があります。正しい手順とチェックリストを守ることで、安全に作業を行うことができます。失敗例などを参考に、トラブルシュートを行い快適なカーライフをお過ごしください。

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